リサーチ・アイ No.2025-023 2024年の合計特殊出生率は1.15、過去最低を大幅更新 2025年05月15日 藤波匠2024年、一人の女性が一生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率は、過去最低だった前年の1.20を大幅に下回る1.15となる見通し。出生数(日本人)も過去最低を更新し、前年比5.6%減の68.6万人と、2015年以降の平均減少率4.2%/年から減勢が強まる見込み。手厚さを増す少子化対策にもかかわらず、出生率・出生数は反転上昇に至らず。婚姻数は前年対比2.1%増の48.5万組となる見込み。コロナ禍による大幅減のリバウンド的な動きと考えられるが、結婚期にある若者の人口が安定期に入っている影響もあるため、若い世代の結婚意欲が高まっているとは言い切れず。出生数の変化を要因分解すると、2024年の特徴は、有配偶率と有配偶出生率の2要因が、2020年よりも強く出生数を下押ししたこと。コロナ禍で婚姻数が大幅減少した余波で有配偶率要因の下押しが強まることは当然であるが、有配偶出生率要因も下押しの影響を強めている点は要注意。たとえ婚姻数の減少を止めても、夫婦が持つ子どもの数の減少(有配偶出生率の低下)を改善できなければ、今後も出生率・出生数の低下に歯止めはかからず。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)