リサーチ・アイ No.2025-018 2025年1~3月期GDP予測 ― 小幅なマイナス成長、内需は底堅い一方、外需が重石 ― 2025年04月30日 藤本一輝2025年1~3月期の実質GDPは前期比年率▲0.3%(前期比▲0.1%)と、小幅ながら4四半期ぶりのマイナス成長に転じると予想。設備投資やサービス消費を中心に内需は底堅さを維持したものの、外需が全体を下押し。①個人消費(前期比年率+0.5%、前期比+0.1%)4四半期連続の増加。コメや生鮮食品などの食料品価格の上昇を背景に、非耐久財が弱含んだ一方、宿泊・飲食などの対面型サービスを中心にサービス消費は回復基調を維持。1~3月使用分を対象に電気・ガス代抑制策が再開されたことも、消費者のマインドを一時的に下支えした可能性。②設備投資(前期比年率+3.1%、前期比+0.8%)2四半期連続の増加。省力化・情報化ニーズの高まりを受けてソフトウェア投資が引き続き堅調に推移したほか、新設された半導体工場への装置搬入などを反映して機械投資が急増。もっとも、これら装置の多くは輸入により調達されているため、GDP全体への押し上げ効果は限定的。③外需(前期比年率寄与度▲1.9%、前期比寄与度▲0.6%)輸出は前期比年率▲0.3%と4四半期ぶりの減少。自動車輸出やインバウンド輸出は堅調を維持したものの、好調だった前期からの反動により、業務サービスなどのサービス輸出が減少。輸入は同+11.6%と大幅に増加。前期からの反動増に加えて、先述の半導体工場向けなどの資本財輸入の増加が全体を押し上げ。この結果、外需は2四半期ぶりのマイナス寄与に。4~6月期の実質GDPもマイナス成長を予想。食料品を中心に物価の騰勢が鈍化することで、個人消費は底堅く推移するものの、米国政府の関税引き上げを受けて、米国向けを中心に輸出が大きく減少。1~3月期の反動で機械投資も減少に転じる見込み。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)