リサーチ・アイ No.2025-015
トランプ関税による金融資本市場への影響と今後の注目点~コロナショック対比では足元までの影響は限定的、ボラティリティの高い市場動向は継続~
トランプ米大統領が本年4月2日、多くの国を対象にした相互関税の導入を発表して以降、金融市場は混乱。その後、一部関税発動が延期され市場の不安心理はやや緩和したものの、ボラティリティの高い相場環境は継続。これまでの金融市場の混乱(タリフショック)と、2020年3月のコロナショック時の株価、為替(対ドル相場)、米長期金利の動向を比較すれば、以下
のような特徴を指摘可能。
[株価]コロナショック対比、下落率は総じて限定的。国・地域別では、コロナショック時は新興国の下落率が大きかった一方、今回は関税影響が懸念される国で大きく下落。セクター別では、コロナショック比、景気変動の影響を受けにくい生活必需品などの下落率が小幅に。
[対ドル相場・米長期金利]
コロナショック時はドル全面高となった一方、今回は一部新興国通貨に対してもドル安が進展。米長期金利は、コロナショック時は低下基調となった一方、今回は対米投資の忌避感から上昇傾向。一時、米株安・米債券安・ドル安のトリプル安に。
足元でもトランプ大統領の発言等を受けて相場が乱高下するなど、ボラティリティの高い市場環境は継続。本邦金融セクターとしては、①金融市場の混乱長期化やドル離れの動きがグローバルベースでの金融不安に直結するリスク、②不確実性の高まりが個人の投資マインドや企業の経済活動を収縮・停滞させるリスク、などに注意する必要あり。
(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)