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リサーチ・アイ No.2025-006

トランプ相互関税はわが国の米国・アジア向け輸出を下押し

2025年04月07日 藤本一輝


米国政府は、4月上旬以降、すべての輸入品に一律10%の関税を賦課したうえで、国ごとに追加税率を上乗せすると発表。日本には合計24%の追加関税が賦課される見通し。2024年の日本からの輸入品に対する平均関税率は1.5%であり、引き上げ後の関税率は約26%に急上昇する計算。

関税引き上げにより、以下2点の経路からわが国の輸出が減少する見込み。1点目は、米国需要の落ち込み。企業が追加関税を販売価格に転嫁すれば、米国での需要は縮小する公算大。日本の機械関連業種は、売上に占める米国向け輸出の割合が高く、大きな打撃を受ける可能性。

2点目は、アジア諸国の景気下押し。今回の相互関税では、アジア諸国など対米輸出が多い国ほど大幅に関税が引き上げられており、景気への下押し圧力も大。アジア諸国はわが国の主要輸出相手国でもあるだけに、わが国の輸出を下押しする可能性。

こうした輸出減少の結果、わが国製造業の収益が減少する恐れ。日銀短観3月調査によると、調査時点では米国政府の関税政策が完全に織り込まれていないにもかかわらず、製造業の2025年度の経常利益は前年度比▲0.5%と小幅減益の計画。米中対立の激化による外需の落ち込みが減益につながった2019年度と同様に、今年度の収益も計画対比一段と下振れる公算大。企業収益が損なわれれば、賃金や設備投資が伸び悩み、わが国景気が後退局面入りするリスクも。


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