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リサーチ・アイ No.2024-118

下落圧力強まるインドネシア・ルピア相場 ―米金利上昇のほか、経常収支の赤字転落も通貨下落要因に―

2025年03月10日 森田一至


インドネシア通貨が大きく減価。通貨ルピアの対ドル為替レートは年初から大きく下落し、一時5年ぶりの安値圏に。背景として、米トランプ政権による関税引き上げや大規模減税がインフレ高進や財政リスクの高まりを招くことが懸念され、米長期金利が上昇。インドネシアとの金利差が縮小して、米国への資本流出圧力が強まり、ルピア安に。

インドネシアが経常赤字に転落したこともルピア安要因。次の3点から今後も経常赤字は続き、通貨安圧力がさらに高まる恐れあり。第一に、第一次所得収支の赤字継続。経済成長を海外の資本に頼るインドネシアでは、中国企業を中心に対内直接投資が増加しており、直接投資収益の赤字が第一次所得収支を引き続き下押し。第二に、サービス収支の赤字幅拡大。海外への旅行者の増加により輸送収支が悪化したほか、デジタル関連項目(その他業務サービス、コンピュータサービスなど)の収支も悪化。第三に、貿易黒字の縮小。ウクライナ戦争勃発による石炭価格急騰を受けて2022年にピークを記録した貿易黒字は、その後石炭価格とともに急反落しており、今後も黒字縮小が続く公算大。

今後、通貨安が経常収支を悪化させ、それが資金流出を招き、さらなる通貨安を生む悪循環に陥る可能性も。その場合、当局は大規模な為替介入や政策金利の急速な引き上げを強いられる見込み。


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