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リサーチ・アイ No.2024-094

人民元安に拍車をかけるトランプ関税 ― 米中金利差拡大や資金流出加速で、ドル高人民元安で推移する見込み ―

2025年01月24日 吉田剛士


2022年以降、中国人民元は対ドルで下落基調で推移。足元では人民銀行の定める許容変動幅(基準値から上下2%以内)の下限に張り付いており、人民元の下押し圧力が強い状況。背景として、中国景気の減速懸念を受けた資金流出圧力の高まりや、米中金融政策の方向性の違いなどを指摘可能。

足元では中国当局が一段の人民元安を阻止する構え。新年入り後、中国当局は海外からの外貨借入に関する規制を緩和するとともに、人民元安をけん制する声明を発表。人民銀行の外貨準備高は潤沢であり、大幅な人民元安進行に対しては、為替介入や資本規制強化などで通貨防衛に踏み切る可能性あり。

もっとも、トランプ新政権が関税を引き上げる場合、人民元安圧力が一段と高まる見込み。トランプ氏は大統領就任後、中国への早期の関税引き上げを改めて表明。足元の中国経済は輸出全体の15%近くを占める対米輸出をはじめ外需頼みの状況。関税引き上げによる輸出の減少は景気下押しに直結し、人民銀行による金融緩和が加速するとの思惑や、投資家のリスク回避の動きを通じて人民元売りを招く公算大。実際、第一次トランプ政権時に、対中関税引き上げが表明されてから人民元は最大で約13%下落した経緯あり。


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