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リサーチ・アイ No.2024-091

強まるわが国デジタル関連製品の中国依存 ― 競争力の低下が背景 ―

2025年01月17日 藤本一輝


コロナ禍以降、わが国の輸入浸透度(供給全体に占める輸入品の割合)が大きく上昇。業種別にコロナ禍前と比較すると、総供給が増加した数少ない業種であるIT関連で輸入浸透度も上昇。とりわけ情報通信機械では、スマートフォンやサーバー、パソコンを中心に輸入が増加する一方、国内生産はコロナ禍前から4割ほど減少し、輸入浸透度が大きく上昇。同業種は旺盛な国内需要を賄ううえで輸入に強く依存。

情報通信機械産業の輸入が増加する一因は、わが国の競争力の低さ。世界全体の情報通信機械の輸出総額に占めるわが国のシェアは、足元で1%割れ。安価な人件費や技術力の向上を武器に中国が2010年代にかけ存在感を飛躍的に高めた一方、わが国のシェアはこの20年間でほぼ10分の1に。近年のわが国情報通信機械輸入の7割弱は中国製品。

経済・社会のデジタル化や人手不足の深刻化などを背景に、先行きも情報通信機械をはじめとするIT関連財に対する需要は堅調に推移する公算大。IT化はわが国の生産性を引き上げることで将来的な成長率の押し上げに寄与すると期待される一方、関連財を中国などからの輸入に依存することで国内生産の増加には結びつかず、当面の景気への影響は限定的に。


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