コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2024-060

「金利のある世界」で地銀に求められる本業支援の強化

2024年12月27日 大嶋秀雄


日本銀行の政策修正を背景に、わが国でも「金利のある世界」への回帰が進むなか、金利上昇によって中核の預貸ビジネスの収益性が改善するとの見通しから、地銀の業績回復に期待が集まる状況。

もっとも、地銀にとって貸出金利の引き上げは容易ではなく、24 年4~9月中間決算では、貸出金利回りの上昇幅が区々だった一方、預金金利は概ね横並びで上昇。その結果、半数以上の地銀では預貸利ざやが改善せず。

貸出金利の引き上げでは、利払い負担が増加する融資先の理解を得ることが不可欠であり、金利環境等に関する丁寧な説明や金利引き上げ交渉が必要。もっとも、折衝に依存した金利引き上げには限界があり、本業支援の強化によって預貸ビジネスの付加価値を高めていく必要。

地銀はこれまでも本業支援の取り組みを進めてきたが、ノウハウや人材の不足、同事業の収益性の低さ等から十分な成果は得られず。今後は、本業支援の強化に向けて以下の取り組みが必要。

<短期>眼前の利上げ局面への対応として早期に実施可能な取り組みを推進
融資先との対話や業界知見の蓄積などによって融資先ビジネスを多面的に分析して経営課題を見極めるとともに、既存サービスの品質向上や社外サービスの活用によって課題解決力を強化。また、人材配置の見直しや省力化・DX・AIを駆使して人材を有効活用。

<中長期>「金利のある世界」におけるビジネス差別化、競争力強化
地域企業の抱える課題を踏まえて注力すべきビジネス領域を見極め、人材・システム等への積極的な成長投資を行って本業支援体制を構築。事業規模拡大に向けて、地域における“支援者”としての認知度向上や、他の地域の地銀との連携などによって展開エリアを拡大。また、ビジネスモデル変革や人材の多様化に向けた社内制度・風土改革も重要。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ