EU の取り組みの特徴として、以下の取り組みを段階的かつ構造的に進めてきたことが指摘できる。すなわち、 GovTech 推進に必要な①人材・組織の接点の明確化、②一元的な情報の収集と提供、③協働のノウハウを習得・実践する場の設定、④そこで得られた成果の横展開や課題・障害の解消に向けたルールの明確化、が図られている。
EU の取り組みから、学ぶべき点は多い。とくに、共有・堅持すべきビジョンやフレームワーク、ルールが徹底され、関連施策・組織間で有機的な連携が図られている点、事前の調査・研究ならびに事後の成果や課題の把握・分析が適切に行われている点、共通プラットフォームなどにより情報や人材・組織の所在の可視化やネットワーク化が促進されている点、相互運用性(技術のみならず法規制、組織、情報・データの意味に関しても)が前提とされている点などは、わが国も取り入れるべき視点である。