コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・アイ No.2024-070

製造業強化が進まないインド、中国資本の積極受け入れも ― インドが劣後する電気産業が受け入れの候補 ―

2024年11月14日 細井友洋


モディ政権は、「メイク・イン・インディア」を掲げ、製造業の競争力強化を志向。製造業の国内立地を促進することを目的に、政府は生産額連動補助金の給付や半導体工場新設への財政支援を実施。製造業の一部ではそうした取り組みが奏功し、生産能力が拡大。たとえば、携帯電話の分野では輸出額が10年間で10倍以上に増加。

もっとも、製造業全体としてみれば、インドの国際競争力は引き続き低位。インドの貿易赤字は2020年代に入ってから一段と拡大しており、とくに中国からの輸入が急増。海外からインドへの直接投資の伸び悩みが競争力の向上を阻害。これは、経済安全保障の観点から実施されている事前審査制(国境を接する国からの投資が対象)が中国香港からの投資を抑制していることが一因。

インド政府内には、製造業の強化に向けて、中国からの直接投資受け入れ拡大の声。インド財務省は本年7月の年次経済報告書で、中国資本の受け入れが輸出の拡大と対中貿易赤字の縮小につながるとの見解を表明。電子部品や電気機器などの産業が受け入れの候補。これら高付加価値産業は、インドが劣後する反面、中国は近年優位性を高めている分野。

政府内には中国資本の受け入れは経済安全保障面で問題があるとの指摘もあるが、米トランプ次期政権が孤立主義を強め、米国企業からの積極的な投資が望めなくなる場合、産業育成のために中国からの投資を受け入れざるを得ないとする声がより強まる可能性あり。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ