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量子コンピュータの動向と展望

2024年10月29日 先端技術ラボ 間瀬英之、身野良寛、渡邉一生、藤村礼子


本レポートでは、量子コンピュータ技術とその動向を捉え、将来の展望を考察するとともに、ユーザ企業のアクションプランを例示した。

量子コンピュータの可能性と未来を賭けた開発競争が世界各国で繰り広げられている。超伝導方式とイオントラップ方式による量子コンピュータの導入が進む一方で、半導体方式、中性原子方式、光方式など他の量子コンピュータ開発手法にも注目が集まっている。また、2023年はGoogleやQuEra(米国量子スタートアップ)などから、量子誤り訂正に関する基礎研究が相次いで発表された。これらの基礎技術の確立から規模拡大への挑戦に至るまで、量子コンピュータ技術は驚異的な速度で進展している。

金融、化学、情報、製造業界を中心に、産官学連携による共同研究や実証実験が活発に行われているが、現在の量子コンピュータはハードウェア制約(量子ビット数、誤り訂正技術など)により、古典コンピュータに対する優位性を見出していない。今後も意義ある結果や進展が見られなければ、企業の量子コンピュータへの投資は慎重となり、その取り組み方に違いが出始めるだろう。

量子コンピュータの成熟には中長期の時間を要すると見込まれるが、ユーザ企業は将来に向けて、人材育成と研究活動への継続的な投資を行うことが望まれる。具体的には、有望なプレイヤー(量子スタートアップなど)を見極めながら、将来の共同事業の可能性を探り、自社に適したユースケースを持ち込んで、学術的なプロジェクトに参画することが挙げられる。

本レポートが、読者にとって量子コンピュータの不確定な未来を見据えたビジネス戦略を立てるための一助となれば幸いである。

なお、本レポートは2020年7月に発行したレポート「量子コンピュータの概説と動向 ~量子コンピューティング時代を見据えて~」(日本総研 先端技術ラボ, 2020)の改訂版である。より詳細な情報については、2023年12月に出版した書籍「量子コンピュータまるわかり (日経文庫) 」(日本総研 間瀬英之/身野良寛, 日経BP 日本経済新聞出版, 2023)を参照いただきたい。
量子コンピュータまるわかり

量子コンピュータの動向と展望


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