リサーチ・アイ No.2024-038 4~6月期GDP予測 ― 内需の反動増で前期比年率+1.9%のプラス成長に ― 2024年07月31日 藤本一輝2024年4~6月期の実質GDPは前期比年率+1.9%(前期比+0.5%)と、大幅に落ち込んだ前期からプラス成長に転じると予想。輸送機械を中心とする財輸出の回復は限定的であったものの、設備投資が堅調に推移したほか、個人消費にも底打ちの兆し。①個人消費(前期比年率+1.1%、前期比+0.3%)5四半期ぶりの増加。一部自動車メーカーの出荷再開などを受けて耐久財消費が持ち直し。もっとも、実質賃金の減少が続くなか、回復の動きは緩慢。②設備投資(前期比年率+3.3%、前期比+0.8%)2四半期ぶりの増加。内外需の底打ちを受けて生産能力増強を目的とした機械投資が底堅く推移したほか、省力化・情報化ニーズの高まりを受けてソフトウェア投資も堅調。③住宅投資(前期比年率▲0.4%、前期比▲0.1%)4四半期連続の減少。資材価格や労務費の上昇などを背景に住宅価格の高止まりが続いており、住宅需要を下押し。④外需(前期比年率寄与度+0.1%、前期比寄与度+0.0%)輸出は前期比年率+9.3%の増加。堅調なインバウンド需要を背景にサービス輸出が全体を下支え。もっとも、財輸出の回復ペースは鈍い一方、輸入は大きく増加(同+8.4%)したことから、外需のプラス寄与は限定的。7~9月期の実質GDPも、内需主導で緩やかなプラス成長が続く見通し。春闘で妥結された賃上げの適用が広がることで、7~9月期には実質賃金が増加に転じると予想。所得環境の改善により個人消費が持ち直すほか、好調な企業収益を支えに設備投資も堅調に推移する見込み。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)