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JRIレビュー Vol.7,No.118

欧州経済見通し

2024年06月28日 藤本一輝、朱雀愛海


欧州景気は、緩やかに持ち直すと予想する。インフレ圧力の緩和で実質所得が回復するほか、株高などを背景とした資産効果が強まることで、個人消費が持ち直す見通しである。

金融政策の面では、欧州中央銀行(ECB)が2024年6月に利下げを開始したことに続き、イングランド銀行(BOE)も今秋に利下げに転じ、景気を後押しすると予想する。財政政策の面でも、政府による投資支援が行われることで、民間の設備投資を喚起する公算が大きい。

もっとも、ドイツ経済とイギリス経済の低調が続くことを背景に、欧州の景気回復ペースは緩やかにとどまる見通しである。ドイツでは、①労働力不足、②エネルギー価格高、③政情不安といった複合的な要因が成長力を下押ししている。イギリスでは、労働供給の弱さが成長の妨げとなるほか、財政政策の拡大余地も限定的である。

メインシナリオに対するリスクは、インフレの再燃である。地政学的リスクの高まりやサービス価格の上昇が物価の高騰につながり、景気を下押しする恐れがある。加えて、政治・外交面では、①欧州議会選挙を契機とした反グリーン・反移民の動きが中長期的な成長力を弱める可能性、②アメリカ大統領選におけるトランプ氏再選に起因する輸出の下押しと財政の悪化、③脱中国依存の動きがグリーンフレーションや中国による報復措置を招く恐れ、などが景気下振れ・インフレ加速をもたらすリスク要因として注意する必要がある。


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