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JRIレビュー Vol.7,No.118

世界経済見通し

2024年06月27日 西岡慎一


足許の世界経済は持ち直している。ハイテク関連を中心にグローバルな財需要は循環的な回復局面に向かっているほか、インフレ圧力の緩和を受けて多くの国の個人消費に底打ち感がみられている。とりわけ、アメリカでは、①家計の資産効果や過剰貯蓄、②政府による産業支援、③企業による雇用保蔵などの影響で需要が予想以上に強い。中国でも、電気自動車や半導体をはじめとする生産が大幅に増加しており、成長率は想定よりも上振れている。

今後の世界経済は回復すると予想する。世界全体の成長率は2025年にかけて3%台前半で推移するとみる。この間、インフレ圧力は沈静化に向かう見通しである。アメリカでは、銀行による融資姿勢の厳格化などが当面の景気を抑制するものの、2025年にかけて2%前後の成長が続く見込みである。2024年秋口には米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに転じ、世界経済を下支えすると予
想する。

当面のリスクシナリオは経済分断とインフレ再燃である。アメリカの需要が予想以上に強まる、あるいは、西側諸国による中国の過剰生産への対抗措置が強まる場合、インフレ圧力が再び高まる懸念がある。さらに、中長期的には経済分断で世界経済の成長が停滞する恐れもある。

トランプ氏の米大統領再選は、経済分断やインフレ再燃を助長する可能性がある。同氏が掲げる関税の引き上げ、移民の抑制、減税といった政策はインフレを招く呼び水となるほか、中長期的な成長力を押し下げ、財政の悪化につながる公算が大きい。さらに、トランプ政権下では政策を巡る不確実性が高くなることも、設備投資などの停滞をもたらす可能性がある。


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