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リサーチ・アイ No.2024-036

ITサービス輸出、インド・フィリピン景気のけん引役に -先進国の人材難が背景-

2024年07月23日 野木森稔


インドとフィリピンの1~3月期実質GDPはそれぞれ前年同期比+7.8%、同+5.7%と、アジア諸国のなかでもとりわけ高い伸び。背景として注目されるのはサービス輸出の拡大。両国では、IT・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業が急成長しており、Everest Groupの調査(2020年時点)によれば、インドとフィリピンの同産業における世界シェアはそれぞれ約40%と約20%。

同産業が急速に拡大している一因はグローバルな人材難。近年、先進国では人手不足が深刻化しており、コンピュータで代替できない分野のビジネスチャンスを両国がうまく取り込み。インドではITのサポートサービス、フィリピンではコンタクトセンターやバックオフィス業務が大きなシェア。両国が海外企業の受注を多く獲得できる背景として、①英語を話せる人材が豊富、②賃金が低水準、③IT関連インフラの整備、などが指摘可能。

もっとも、サービス業に人材が偏ることで、製造業の発展が遅れるという問題も。足元で半導体はじめIT関連製品の需要が急増しているにもかかわらず、両国の財輸出は他のアジア諸国に比べ伸び悩み。サービス輸出波及効果は製造業よりも小さいだけに、長期的な経済発展を目指すには、製造業も強化していく政策支援が必要。

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