リサーチ・レポート No.2024-008 【米国経済見通し】堅調が続く米国経済 ―リスクはインフレ再燃とトランプ再選― 2024年06月28日 立石宗一郎、松田健太郎足元の米国経済は内需を中心に堅調。①家計の所得環境の改善、②労働市場のミスマッチ縮小、③積極的な財政政策が景気を押し上げ。今後の米国経済の拡大ペースはやや鈍化すると予想。既往利上げによる金融環境の引き締まりが企業の設備投資や家計の消費活動を下押しし、実質GDP成長率は当面潜在成長率を下回る見通し。この間、インフレ率は緩やかに低下する見込み。その後は、良好な雇用・所得環境などを背景に、成長率は上昇。インフレ沈静化を受けた利下げ転換も景気を後押し。当面のリスクは、インフレ再燃。需要上振れによる労働需給のひっ迫などを受けた賃金高騰や、住宅市場の流動性低下を受けた住居費の高止まりが再びインフレ率を押し上げる恐れ。2024年の大統領選挙におけるトランプ再選も米国経済のリスク。同氏が掲げる減税によって財政赤字が拡大する場合、金利に上昇圧力。加えて、関税の引き上げによって、国民負担が増大し、所得格差が一段と拡大する恐れも。移民規制の本格的な強化も、物価の上昇圧力を高める公算大。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)