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リサーチ・アイ No.2024-017

なぜ欧州議会選挙で極右の躍進が予想されているのか ― 国際協調による負担が有権者の不満を蓄積 ―

2024年05月22日 藤本一輝


6月の欧州議会選挙を前に、EU加盟国の多くでは、現政権が支持を落とす一方、極右勢力が台頭。この背景には、生活苦を中心とした不満の高まり。消費者が体感する豊かさはコロナ前を下回る水準。こうした生活苦は、現政権による以下3点の国際協調的な政策に起因する面もあることから、市民は自国民優先の主張への支持を強めている状況。

第1に、移民の急増。現政権が寛容に対応してきたコロナ明けの移民労働者の増加は賃上げ圧力の緩和に作用した一方、不法移民の増加も招いており、社会的な軋轢が増大。極右勢力は移民への社会福祉の提供を批判するなど、生活苦の責任を移民に求める風潮を形成。

第2に、気候変動対策。ドイツでは暖房設備に再生可能エネルギー利用が義務付けられるなど、経済的負担の重さが気候対策疲れを引き起こしている可能性。欧州投資銀行(EIB)の調査によると、前回選挙時の2019年にEU市民は「気候変動」を最大の困難として挙げていたものの、2023年には「生活費上昇」を重視する回答者が急増。

第3に、ウクライナ支援。ロシア制裁やウクライナ支援にもかかわらず、情勢変化は乏しく、対外的な支援がむしろ加盟国の経済情勢や財政を厳しくしているとの見方も。とりわけ、2022年6月以降、EUはウクライナからの輸入品への関税を停止したことで、安価な同国産農作物の輸入が急増。EU内の農家は自国優先の対応を求め、抗議活動を実施するなど不満が拡大。


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