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ビューポイント No.2024-006

財政健全化に向けた提言 ―「金利のある世界」に復帰で、長期計画の作成・履行待ったなし―

2024年05月17日 石川智久蜂屋勝弘


わが国の財政状況は、新型コロナ禍を経て一段と悪化している。今後は、「金利がある世界」となるなか、GDP の倍以上の長期債務残高(国+地方)を抱えるわが国では、公債費の増加が避けられない状況であり、財政再建は待ったなしである。

こうしたなか、財政再建に向けて、わが国が進めるべき対応は以下の通りである。
(1) 財政健全化目標の設定
PB 黒字化と「同時に債務残高対 GDP 比の安定的な引き下げを目指す」との現在の財政健全化目標については、今後も継続する必要。また、数値目標と改革期間を具体化した長期計画の作成も必須。
(2) 歳出の目安
「歳出の目安」は今後も引き続き明示すべき。また、地方財政 PB 黒字化を踏まえた地方財政の在り方の見直しや、目安の数値目標化等も重要。
(3) 財政規律を評価・監視する機能の強化
マクロ経済・財政の予測や長期展望を客観的に描き、財政計画や財政ルールの内容や遵守状況を監視し、客観的あるいは批判的に評価する機能が必要。諸外国で導入されている独立性の高い監視等の仕組みも検討すべき。
(4) 補正予算と予備費に関するルール設定
補正予算と予備費の常態化と大型化からの脱却が必要であり、本来あるべき抑制的な姿に戻すよう、ルールを設定すべき。
(5) 当初予算での財源確保と成長分野への優先的・重点的な財源配分
効果的な財政政策のためには、既存の財源配分の大胆な見直しが必要であり、EBPM(証拠に基づく政策立案)を一段と活用したうえで、成長分野への優先的・重点的な財源配分が重要。
(6) 国民負担と給付のあり方の見直し
国民負担については、消費税、所得税、法人税の基幹3税を中心とし、国民の間で極力公平に負担を分かち合うことが重要。

骨太方針等においては、財政再建について具体的な目標と推進体制を明記し、着実に財政健全化が進むような枠組みの構築を期待する。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
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