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リサーチ・アイ No.2024-006

わが国の2022年度温室効果ガス排出量の減少と今後の課題

2024年04月15日 大嶋秀雄


環境省が2022年度のわが国の温室効果ガス(GHG)排出・吸収量を公表。GHG排出量は前年度比▲2.3%(うちCO2排出量は同▲2.5%)減少。環境省は、政府の排出削減目標に向けて「オントラック」(順調な減少傾向)を継続と説明。

もっとも、22年度の排出減少は、産業部門の排出量の4割を占める鉄鋼業での生産低迷やエネルギー価格急騰を受けた省エネ行動の強化、暖冬等が影響。また、22年度はコロナ禍に伴う経済停滞も続いており、自動車の利用もコロナ禍前の9割程度。こうした状況を踏まえると、22年度の排出減少をもって脱炭素に向けた取り組みが順調に進んでいるとは言えず。

実際、電力部門をみると、再生可能エネルギーは小幅な伸びにとどまり、電源構成における火力発電の割合は変わらず、政府が掲げる2030年度の電源構成の計画とは大きなギャップ。電力の排出原単位(発電量あたりのCO2排出量)をみても近年は横ばいで排出削減は進まず。

23年度以降をみれば、コロナ禍からの経済正常化が一段と進み、エネルギー価格高騰も一服しており、排出量が増えやすい状況に。今後も目標達成に向けて排出削減を進めるためには、政府はグリーントランスフォーメーション実現に向けた蓄電池・次世代再エネ分野等への技術開発支援を強化するとともに、住宅用太陽光発電・蓄電池の設置強化や、省エネ家電・住宅、電気自動車等の普及支援策など、短期的な排出削減につながる施策の強化も求められる。


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