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リサーチ・アイ No.2023-096

ドイツの政策運営が不安定化、設備投資を60億ユーロ下押し ― 政策異なる3党連立や違憲判決が背景 ―

2024年03月25日 藤本一輝


ドイツの政策運営が不安定化。政策の不透明感を示す経済政策不確実性指数は2021年以降、他の欧州諸国を大きく上回る水準。この背景は、以下の2点。第1に、不安定な連立政権。2021年の総選挙以降、第1党の社会民主党を中心に3党が連立政権を組んだものの、各党の政策には明確な違い。財政規律を巡って、緊縮財政を志向する自由民主党と公共投資に積極的な他の2党が対立するなど政策運営が難航。

第2に、憲法裁判所の違憲判決。2021年度に計上されたコロナ対応予算の未使用分を気候変動対策に転用したことが認められず、対策の財源が不足。これを受けて、政府は予定外の歳出削減を強いられ、やむなくEV補助金を当初予定から1年前倒しで打ち切るなど政策運営に支障。こうした財源不足は2025年度も続くと見込まれ、今後も政策運営は不安定となる公算大。

経済政策の先行き不透明感は、企業の設備投資を下押しする可能性。ドイツ商工会議所連合会の調査によると、先行き1年の経営リスクとして「経済政策」を挙げる企業の割合は過去最高に。試算によると、経済政策の不透明感は1年ほどのラグを伴い企業投資を押し下げる傾向があり、昨年の政策運営の難航は今年の企業投資を前年から60億ユーロ(前年比▲1.2%ポイント)押し下げる計算。企業投資の弱さが当面のドイツ経済の重石となる公算。


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