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リサーチ・アイ No.2023-064

7~9月期法人企業統計の評価と2次QE予測

2023年12月01日 後藤俊平


企業収益は好調を維持。全産業でみた7~9月期の売上高は、前期比+1.1%と10四半期連続の増収。製造業では、供給制約の解消を受けて生産・輸出が増加した自動車業を中心に増収となったほか、非製造業でも、価格転嫁の進展などから小売業を中心に増収。経常利益も同+0.8%と3四半期連続の増益となり、企業の収益力を示す売上高経常利益率は製造業・非製造業ともに高水準。人件費の増加などが下押し要因となった一方、売上高がそれ以上に増加したことで経常利益が増加。先行きも、家計の所得環境が改善するなかで、企業業績は堅調な推移が続く見込み。

設備投資(ソフトウェア投資を含む)は全産業で同+1.4%とプラスに転化。製造業では、外需が伸び悩む機械産業などの低調を背景に減少した一方、非製造業では、サービス消費の回復を受けて生活関連サービスなど幅広い業種で増加。

今般の法人企業統計などを織り込んで改定される7~9月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資と公共投資が小幅に上方改定される見込み。この結果、成長率は前期比年率▲2.0%(前期比▲0.5%)と、1次QE(前期比年率▲2.1%、前期比▲0.5%)からわずかながら上方改定されると予想。


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