コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

ビューポイント No.2023-015

わが国の経常黒字は盤石か~近い将来の黒字縮小圧力の回避に向け「稼ぐ力」の強化を~

2023年11月15日 牧田健


わが国では、高齢化が進展しているにもかかわらず経常黒字の高止まりが続いている。この背景には、高齢者と女性の就労増加・所得増加が挙げられる。

もっとも、高齢者の就労増加余地に限りがあるほか、今後デフレ脱却を受けた年金支給額の実質減額が予想され、高齢化に伴う黒字縮小圧力は徐々に顕在化していく見込み。とりわけ2030 年代以降は、団塊ジュニア世代の高齢化や中国をはじめとした主要国の高齢化加速を受けた投資の国内回帰等から、黒字縮小圧力が強まる見通し。また、わが国企業の「稼ぐ力」が弱まると同時に、デジタル分野で海外依存度が高まっており、企業貯蓄の減少を通じて経常黒字が縮小する恐れも。

高水準の公的債務を抱えるわが国にとって、経常収支の赤字化は財政危機に直結しかねないだけに、赤字化回避に向け、「働き方改革」を通じて特に女性の所得増加を促していくことが不可欠。同時に、貿易赤字の主因であるエネルギーの化石燃料依存から脱却する必要。また、①税制支援等を通じて今後成長が見込まれるデジタル関連・脱炭素関連での産業力の強化、②デジタル人材の育成とDXに前向きな企業への労働移動を通じた産業の新陳代謝促進、等の政策も欠かせない。こうした民間部門の貯蓄増強に向けた取り組みのみならず、社会保障制度改革を通じた財政健全化にも取り組む必要がある。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ