リサーチ・アイ No.2023-053 7~9月期GDP予測 ―外需の反動減で小幅なマイナス成長に― 2023年10月31日 後藤俊平7~9月期の実質GDPは前期比年率▲0.3%(前期比▲0.1%)と、小幅なマイナス成長を予想。内需が底堅く推移した一方、前期に高い伸びとなった外需の反動減が下押しに作用。①個人消費(前期比年率+0.2%、前期比+0.0%)前期からほぼ横ばい。供給制約の緩和を受けて自動車販売が引き続き増加したものの、物価高の影響で非耐久財を中心に財消費が弱含んでいるほか、これまで消費回復をけん引してきたサービス消費の伸びも鈍化。②設備投資(前期比年率+1.1%、前期比+0.3%)2四半期ぶりの増加。海外経済の減速が重石となり、はん用・業務用機械など能力増強投資は低調。一方、供給制約の緩和に伴い輸送機械投資が増加したほか、省力化や情報化対応に向けたソフトウェア投資が引き続き活発。③住宅投資(前期比年率▲5.4%、前期比▲1.4%)4四半期ぶりの減少。コンクリートなど資材価格の高止まりを背景に住宅建設コストが増加しており、住宅投資を下押し。④外需(前期比年率寄与度▲0.6%、前期比寄与度▲0.2%)輸出は前期比年率+10.5%の増加。自動車の挽回生産が財輸出を押し上げたほか、インバウンド需要の回復によりサービス輸出が増加。一方で、輸入が同+12.7%と輸出以上に増加した結果、外需は2四半期ぶりのマイナス寄与に。10~12月期の実質GDPは、自動車の挽回生産やインバウンド需要の回復に支えられ、プラス成長に復帰する見通し。ただし、原油高が一段と進行した場合、実質賃金の低迷を通じて個人消費が下振れるリスクあり。試算では、原油価格が直近ピーク(1バレル=130ドル)まで上昇した場合、個人消費を年率で▲0.2%ポイント下押し。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)