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ビューポイント No.2023-013

一帯一路フォーラムから読み解く中国の巨大経済圏構想の行方

2023年10月26日 枩村秀樹佐野淳也


10 月 17~18 日に開催された3回目の一帯一路フォーラムで習近平国家主席が強調したのは、これまでの規模拡大重視から、規模縮小・質重視の姿勢への転換であった。

この背景には、①これまでの採算度外視の大型案件で対外不良債権が増加したこと、②一方で中国内の不動産不況も深刻化したため、国内問題に優先して取り組まざるをえなくなったこと、の2点がある。

また、債務再編や資源問題にあえて言及されなかったことも注目される。参加国の不満をいかに抑制するか、中国政府も苦慮している様子が窺える。

今回打ち出された「量から質への転換」が成功するかどうかは未知数である。参加国が求めるニーズと中国が希望する条件が一致しないケースが増えていく展開も予想される。

イタリアの離脱はほぼ確定と考えらえる。しかし、イタリアの離脱は経済安保環境の変化が主因であるため、グローバルサウスに離脱の波が広がる可能性は低い。

今回の一帯一路構想における規模縮小への転換で、「巨大経済圏構想」の実現は遠のいた。しかし、外交・安保面からは引き続き重要な構想として機能し続けよう。

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