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リサーチ・アイ No.2023-049

英国、住宅ローン金利上昇が個人消費を強く下押し―逆資産効果と利払い負担増で来年の消費1.6%減―

2023年10月17日 藤本一輝


英国では、中央銀行による利上げを背景に、住宅ローン金利が急速に上昇。変動金利と固定金利ともに利上げ開始前の2%前後からは3%ポイント近く上昇。金利上昇を受けて住宅ローンの承認件数は落ち込み、住宅投資は減少。

住宅ローン金利上昇は、住宅投資の減少に加えて、以下2つの経路から個人消費の下押しにも作用。第1に、住宅価格の下落に伴う逆資産効果。住宅ローン金利の上昇で住宅需要が減少した結果、住宅価格は今春から前年比下落に転化。伝統的に持ち家志向が強い英国では、住宅価格の下落が家計の消費意欲を強く抑制する傾向。

第2に、住宅ローンの利払い負担の増大。英国では期間5年以内の固定金利ローンが9割以上を占めており、より長期の固定金利ローンが主流である他の欧州主要国と相違。アンケート調査(2022年上期)でも、約4割の住宅ローン契約者が2年以内に金利更改を迎えると回答。今後多くの借り手に高金利が適用されることになり、利払い負担の増加が消費を抑制。

試算によれば、逆資産効果(▲0.7%)と利払い負担増加(▲0.1%)が2023年の個人消費を21年対比で▲0.8%程度下押し。さらに、住宅価格が21年比▲10%下落、住宅ローン金利が5%で推移した場合、2024年の消費の下押し幅は▲1.6%へ拡大。足元の消費の伸びが前年比ゼロ%台にとどまっていることを踏まえると、来年の消費はマイナスに転化する可能性。


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