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COVID-19が促すデジタル社会への転換 ~ウィズコロナ・アフターコロナにおけるIT活用展望~

2020年06月16日 先端技術ラボ 北野健太、間瀬英之、三井住友フィナンシャルグループ デジタル戦略部 シリコンバレー・デジタルイノベーションラボ室 田谷洋一


本レポートでは、コロナ禍発生後の世界において、IT技術活用の進展と影響が大きいと考えられる3つのテーマ「接触確認アプリ」「勤務制度改革とメンタルヘルスマネジメント」「デジタル・チャネルを通じた先進的サービスとコミュニケーション」に着目し、今後の展望を考察する。

コロナ禍後の初期段階では、COVID-19の感染拡大防止、収束に向けてITが活用される。そのなかで、各国政府や多くの技術者たちが急いでいるのが、感染者と接触した人を特定・追跡し、通知する「接触確認アプリ」の構築である。検討中のアプリの仕様や運用方法などはそれぞれ異なるが、強制力を高め、膨大なデータを使うほど大きな効果を得られる一方、プライバシー侵害のほか、情報漏洩や悪用などのセキュリティリスクも大きくなることを念頭に入れておく必要がある。

日本においても、接触確認アプリの開発・導入に向けた検討が進められている。プライバシーやセキュリティに配慮した設計を確保しながら、正確かつ迅速な検査や隔離体制の整備をはじめ、アプリ利用者の拡大、入力の正確さ、いたずらや誤入力への対処などについて、実効性が課題になると考えられる。

事態収束を優先する一部の国においては、早々に接触確認アプリを本番投入、厳しく統制された運用を行っている。しかし、過度な監視社会、そして新たな差別や疎外の火種にならないよう十分に配慮し、安全にテクノロジーを活用すべきである。

在宅勤務の急増や、オンラインを前提とした業務の拡大に合わせて、従業員の働き方も大きく変わりつつある。企業には事業継続可能な体制整備が求められるが、在宅勤務の増加に伴い、従業員の孤立や業務環境への変化に対する不安など個人のストレスが高まる可能性も指摘されるようになった。

米国では、企業が取り組むべき重要な施策として従業員へのメンタルケア対策が注目を集めるが、パンデミックの長期化を考慮すると、日本でも在宅勤務を前提とした従業員の働き方やケアを本格的に考えなければならないであろう。また、コロナの長期化の中で多くの企業で働き方改革が急速に進み、順応した企業は、業務のスピードや人材の獲得スピードが格段に上がることが予想される。

重要なのは、在宅勤務を前提とした上で従来の仕組みを根本から見直し、従業員のコミュニケーションや生産性を十分に確保できる仕組みを検討することである。日本企業には、新しい働き方に適応できる制度の整備や従業員のケアに早く着手し、トライアンドエラーを繰り返していくことが求められるであろう。

中長期的には、COVID-19を契機に、経済・社会ともにデジタル化が大きく進展すると予想される。抜本的なDX推進の重要性が高まり、人同士の接触が少なくても社会・産業活動が成り立つ方向へのシフトが加速すると考えられる。これまで主に実店舗を活用してきた企業にとっても、デジタル・チャネルは顧客と直接関わる重要な手段であるが、世界的な外出自粛や店舗休業の中で一層存在感を強めていくと考えられる。これまで主に実店舗を活用してきた企業を含め、リテールやメーカーではデジタル・チャネルを通じ、どのように顧客エンゲージメントを維持・強化するかが今後の経営の鍵となる。

デジタル・チャネルは、これまではリアル・チャネルの補完的な役割であったが、コロナ禍後の世界ではデジタル・チャネルが主役になり得るようになった。最近では、外出自粛規制および5Gサービス開始の影響もあり、AIやVR/AR等を用いたイマーシブなテクノロジーの活用が注目されている。VR/ARに関しては技術的な課題もあり、事業としての最適解が見つからず試行錯誤が続く状況であったが、COVID-19を契機に花開く可能性が高い。本格活用に向けて、技術動向や取り組み事例の探索、ユースケース検討のためのPoC(概念実証)などの取り組みが重要である。

COVID-19が促すデジタル社会への転換 ~ウィズコロナ・アフターコロナにおけるIT活用展望~


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