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リサーチ・フォーカス No.2023-026

外国人労働者受け入れ拡大に向けた課題― コロナ前並みの受け入れ水準では成長力低下をカバーできず ―

2023年10月02日 井上肇


深刻な人手不足に直面するわが国では、外国人が重要な労働力となりつつある。今後も急速な人口減少が予想されるなか、労働力を外国人に依存する度合いは高まっていく方向にある。

こうした状況を踏まえ、政府は外国人労働者の受け入れ拡大へと舵を切っている。今春には、①特定技能制度の2号の対象分野を追加すること、②技能実習制度を廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度を創設することなどが打ち出された。

もっとも、この施策によって外国人労働者が政府の狙い通りに増加するかどうかは不透明である。アジア諸国と日本の賃金格差は縮小傾向にあり、外国人労働者は日本よりも高賃金の国を選択する可能性が高まっているためである。仮に、外国人労働者の流入がコロナ前と同等にとどまる場合、外国人による労働投入量の増加は潜在成長率を2030年にかけて年平均+0.1%押し上げるに過ぎない。これは、日本人による労働投入量の減少効果(同▲0.3%)を大きく下回る。

外国人から就労先として選ばれる国となるためには、賃上げを含めた待遇改善を続けるとともに、長期就労を前提として外国人と共生する社会を実現していく必要がある。さらに、外国人労働者の受け入れを成長力強化につなげていくためには、人数を増やすだけではなく、労働の質を高めていくことも重要である。


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