リサーチ・アイ No.2023-038 4~6月期法人企業統計の評価と2次QE予測 2023年09月01日 後藤俊平法人企業統計季報によると、全産業でみた4~6月期の売上高は前期比+1.5%と、9四半期連続の増収。製造業は自動車を中心に増収。供給制約の緩和を受けた生産・輸出の回復が背景。非製造業も、宿泊など対面型サービスの増収が下支えとなり好調を維持。経常利益は全産業で同+9.5%と、2四半期連続の増益。製造業、非製造業ともに前期から増益ペースが加速(図表2)。既往の円安などを背景に、受取利息・配当金などの営業外収益が増加。7~9月期の経常利益も、全体として高水準が続くと予想。世界的な財需要の減速が製造業の収益下押し要因となる一方、日本人や訪日外国人によるサービス需要の増加が非製造業の収益を押し上げる見込み。設備投資(ソフトウェア投資を含む)は、全産業で同▲1.2%と、5四半期ぶりの減少。製造業で前期から増加ペースが鈍化したほか、これまで回復をけん引してきた非製造業も前期から減少。今般の法人企業統計などを織り込んで改定される4~6月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資と公共投資が下方改定される見込み。その結果、成長率は前期比年率+5.6%(前期比+1.4%)と、1次QE(前期比年率+6.0%、前期比+1.5%)から下方改定されると予想。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)