一方で、現在は一部の分野でテストケースを行っている段階であり、本格的な政策展開には至らず。今後、効果的なEBPM を行い、ワイズ・スペンディングや無駄のカットにつなげるためには、次の課題について以下の対応が重要である。 ① 手法:現在は様々な手法が混在するなか、議論が錯綜。対策としては、データ整備状況や政策分野の特性などに応じて高度なRCT(ランダム化比較試験)から比較的エビデンスレベルが低いものまで適切な手法を選ぶ必要。手法を巡る不毛な議論に終止符を打つことが重要である。
② 政府内での連携:政府内では担当部署が複数存在し、連携が不十分。EBPM 疲れも指摘される。今後は、いわゆるEBPM 三本の矢と各省庁の取り組みのすみわけと連携等を果たすことで効果の最大化と効率化を果たすべき。
③ 政策パッケージとしての評価:個別政策の検証が多く、政策パッケージでの検証が少ない。少子化や防衛等、政策パッケージが出されるなか、政府としてはパッケージとしての効果を検証し、マクロ経済や財政全体の影響も示すべき。