コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・アイ No.2023-036

労働力不足に苦しむドイツ経済-絶対数のほか熟練労働力の人材難が回復のネック-

2023年08月29日 藤本一輝


コロナ後のドイツ経済が低迷。ドイツの実質GDPはコロナ前(2019年)を1%弱上回る水準にとどまっており、約4%上回るユーロ圏全体に大きく見劣り。製造業はコロナ前水準を依然下回るほか、サービス業の回復ペースは他の欧州諸国対比かなり弱い状況。ドイツ経済の回復力が弱い一因として、以下の事情を背景に労働供給の制約が他国よりも強い点を指摘可能。

第1に、労働力人口の伸び悩み。ドイツでは、自国民の労働力が大きく減少しており、それを移民の増加でカバーできていない状況。ドイツの自国民の労働力減少は、人口動態による面が強く、足元にかけてドイツの自国民の生産年齢人口は、ドイツ以外のユーロ圏と比べて大きく減少。

第2に、熟練労働者の不足。ドイツでは、1950~60年代に生まれた「ベビーブーム世代」の多くが引退したことを受けて、労働力人口に占める40~64歳の割合が大きく低下。労働供給の中心が若年層や移民に移っており、熟練労働者を穴埋めできていない可能性。実際、ifoの調査では、3割強の製造業、半数近くのサービス業が熟練労働者の不足を報告。とりわけ、サービス業のうち、専門職や対面サービスで過去最高の回答割合となっており、こうした業種を中心に経済活動が回復力を欠く結果に。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ