コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

JRIレビュー Vol.6,No.109

世界経済見通し

2023年07月27日 西岡慎一


足元の世界経済は減速しつつも、深刻な後退を回避している。過剰貯蓄の取り崩しや供給制約の緩和などが高インフレによる景気下押し圧力を緩和している。巣ごもり需要の終息で財需要が低迷する一方、コロナ対応の活動制限が緩和していることから、外食、旅行、娯楽といったサービス分野のリバウンド需要が旺盛である。海外観光客の増加もサービス需要を後押ししている。

先行きの世界経済は軟着陸に向かうと想定している。急ピッチで進められた金融引き締めの影響で、世界成長率は2024年にかけて3%前後にとどまると予想する。資源高が一服しているものの、労働市場のひっ迫でコアインフレ率は下げ渋っている。そのため米欧の政策金利は高止まり、景気を下押す方向に作用するとみる。

当面のリスクシナリオとして、インフレの沈静化が遅れ、一段の利上げが生じることが挙げられる。この場合、金融機関の融資姿勢がさらに厳格化し、投資の減少などを通じて景気が下振れる可能性に注意を要する。アメリカでは、中小銀行の融資縮小で不動産市況が悪化し、これが一段の金融収縮を招く恐れもある。

中長期的なリスクとして、グローバル化の後退が経済圏の縮小や分断を招き、成長力の低下や物価の乱高下を招く可能性がある。とくに、大国間のデカップリングや過剰な国内回帰の動きが経済停滞につながることが懸念される。供給網の再構築には、取引国の多様化とともに、国際機関の機能強化や貿易協定の推進で取引ルールを整備することが重要である。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)


経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ