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リサーチ・レポート No.2023-006

【米国経済見通し】米国経済は底堅く推移~景気は軟着陸、高インフレは沈静化へ~

2023年06月28日 栂野裕貴立石宗一郎


足元の米国経済は減速しつつも底堅く推移。良好な雇用情勢が個人消費を中心に景気を押し上げ。

先行きの米国経済は軟着陸に向かう見通し。既往の金融引き締めが製造業を中心に企業部門の経済活動を下押しすることで景気は減速する見込み。ただし、過剰貯蓄の取り崩しなどから家計部門は底堅く推移し、全体ではプラス成長を維持。2024年には利下げが開始されるとみられ、景気は緩やかな持ち直しへ。

高インフレは沈静化へ。求人が減少するなど労働需要が抑制される一方、移民を中心に労働供給の増加が続くことで、人手不足は緩和する見込み。これが、賃金上昇率を押し下げ。賃金に加えて家賃の伸びも鈍化することで、先行きのコアインフレ率は明確に減速する見通し。

FRBは、現行の政策金利水準を当面維持する見通し。実質金利は上昇し、景気への下押し圧力は増大。利下げはインフレ沈静化が確認される来年入り後に。

メインシナリオに対する当面のリスクは、①商業用不動産やノンバンクを火種とする金融不安の再燃と②政策ミスによる景気のオーバーキル。中期的には、大統領選挙後に移民規制が強化されることで潜在成長率が下振れるリスクあり。


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