リサーチ・レポート No.2023-003 【日本経済見通し】日本経済は緩やかに回復~労働供給の確保と生産性の向上が急務~ 2023年06月27日 井上肇、北辻宗幹足元の日本経済は緩やかに回復。先行きも個人消費や設備投資、インバウンド需要をけん引役に緩やかな回復が続く見通し。人手不足感が強まるなかで、賃金と物価の上昇が定着していくと予想。家計部門では、サービスが個人消費の回復をけん引する見込み。コロナ禍で蓄積された過剰貯蓄や実質賃金の上昇が消費拡大の原資に。企業部門では、当面はペントアップ需要が設備投資を押し上げるほか、脱炭素、デジタル化、省力化関連の投資も増加する見通し。外需については、海外経済の減速を受けて財輸出は伸び悩み。一方、訪日客にとっての物価割安感なども追い風に、インバウンド需要は回復が持続。物価面では、既往の円安・資源高に起因する輸入インフレから、賃金の上昇を伴う国内インフレに移行する見通し。実質賃金の上昇が企業の価格転嫁を後押し。人手不足下で持続的な成長を実現していくためには、労働供給の確保と労働生産性の向上が急務。労働供給の確保には、就労を促進する制度改革による就業時間延長や、賃上げを含む待遇改善による外国人労働者の確保が課題。生産性の向上には、中小企業のDX支援、「人への投資」拡大、労働移動の活発化が必要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)