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リサーチ・アイ No.2023-017

2023年1~3月期法人企業統計の評価と2次QE予測

2023年06月01日 後藤俊平


1~3月期の法人企業統計季報によると、売上高は全産業で前期比+0.5%と、6四半期連続の増収。世界的な財需要の低迷や半導体需要の循環的な落ち込みを受けて、製造業が減収となった一方、コロナ禍からの経済再開が進んだことなどを背景に、非製造業が増収。

経常利益は全産業で同+6.2%と、3四半期ぶりの増益。円安や資源高の一服でコスト増加圧力が和らぎ、製造業は同+5.0%と増益。非製造業でも、増収を背景に同+6.8%と2四半期連続の増益。4~6月期の経常利益も全体として高水準が続くと予想。海外景気の減速が製造業の収益を下押しする一方、個人消費やインバウンド需要の回復を受け、非製造業の収益が増加する見込み。

設備投資(ソフトウェア投資を除く)は、全産業ベースで同+2.7%と4四半期連続の増加。製造業で前期から増加ペースが加速したほか、非製造業でも、需要が回復している対面型サービス業を中心に引き続き増加。

今般の法人企業統計などを織り込んで改定される1~3月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資が上方改定、公共投資が小幅に下方改定される見込み。その結果、成長率は前期比年率+2.0%(前期比+0.5%)と、1次QE(前期比年率+1.6%、前期比+0.4%)から上方改定されると予想。


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