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リサーチ・アイ No.2023-016

財政・金融政策の緩和に急転換するベトナム ―金融不安と景気悪化が背景―

2023年06月01日 熊澤知喜、野木森稔


ベトナムは、財政・金融政策を緩和に転換。中央銀行は3月に政策金利の1つであるディスカウントレートを、4月、5月は主要な政策金利であるリファイナンスレートを連続して引き下げ。さらに付加価値税の減税が近日中に決定される見通しであり、財政も拡張方向。

財政・金融政策の転換は金融不安と景気悪化が背景。金融面では、2022年に社債発行での不正発覚を契機に、政府が不動産業の資金調達に関する規制を強化。これまでの利上げの影響も重なり、不動産業で債務不履行が増加し、ベトナムの不良債権比率は上昇。こうした状況を受けて政府は、3月に社債の償還期限の延長を認めたほか、5月に銀行借入返済の猶予を決定する、など企業の資金繰り支援も実施。

景気面では、ベトナムが得意とするスマートフォンなどハイテク機器の世界需要が低迷していることを背景に、輸出や生産が減少。足元の消費もサービス以外は伸び悩み。とくに、金融不安による自動車ローン審査の厳格化もあり、自動車販売は顕著に減少。

もっとも、こうした政策転換は、同国固有の事情による面が強く、他の東南アジア諸国が早期に追随する可能性は低い。ベトナム以外の東南アジア諸国では、不良債権比率は総じて低下傾向にあるほか、ハイテク機器への依存度もベトナムほど高くはなく、景気は堅調を維持。

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