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ビューポイント No.2023-002

一般会計歳入の増加に向け時限的に外為特会のさらなる活用を

2023年05月11日 牧田健


外国為替資金特別会計は2000年代半ば以降毎年3兆円前後の利益を生み出し、2兆円前後を一般会計歳入に繰り入れている。防衛費増額でも3.1兆円が充当されることになっているが、同特会は実質的に円キャリートレードを行っており、今後5年程度は一般会計への繰り入れをもう一段積み増すことが可能と思われる。

その具体的な手法の第1が、円安地合いのなか、円買いドル売り介入を通じた資金捻出である。為替介入を通じた実現益の一部を間接的に一般会計に繰り入れできる。第2が、内部留保の抑制を通じた一般会計への繰入率引き上げである。バランスシートに影響を及ぼす大幅な円高リスクが低下するなか、内部留保をこれまでのペースで積み増す必要性は薄らいでいる。第3が、そもそも米金利上昇を受けた日米金利差拡大と円安ドル高により運用収入の一段の増加が期待できる。

外為特会剰余金は市場動向に左右されるだけに、本来安定財源とはなりえない。しかし、当面外為特会が利益を生み出しやすい環境が続くとみられるなか、社会保障関連費の増加に見合うだけの消費税引き上げが実現するまでは、あくまで時限的なものと認識したうえで、一般会計への繰り入れを増やすことは検討に値しよう。


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