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取締役会のジェンダーバランスについて(2022年度版)

2023年05月01日 綾高徳


 株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門は、上場企業2,637社(※1)における役員28,559人(※2)のジェンダーバランス実態について調査した。

□調査結果の概要と考察
・役員28,559人のうち女性役員は2,852人(役員に占める女性比率は10.0%)であった。女性役員数は1年間(※3)で2,398人⇒2,852人(+454人)と1.2倍に増加した。役員に占める女性役員の比率は8.3%⇒10.0%に増加した。
・女性役員2,852人のうち、社内役員(※4)は392人(社内役員に占める女性役員比率は2.5%)、社外役員(※5)は2,460人(社外役員に占める女性役員比率は19.1%)であった。社内役員に占める女性役員比率は1年間で2.3%⇒2.5%、社外役員は16.1%⇒19.1%と高まっている。育成・キャリア形成に時間を要する社内役員よりも、まずは外部労働市場から招聘してくる社外役員から女性役員の任用が進んでいることが伺える。 
・各企業において、女性役員の数は1人が1,116社(42.3%)ともっとも多く、次いで0人が793社(30.1%)であった。
・役員の兼務状況(2社以上)(※6)について、女性役員528人(女性役員に占める兼務者の割合は25.0%)が別の上場企業の役員を兼務している。男性役員に占める兼務者の割合は6.9%であり、エグゼクティブ労働市場で女性役員の需要が高いことなどが伺える。 
・今後、特に残り3割の女性役員不在の企業において、女性役員の登用が急速に進むことが予想される。女性の社外役員に対する需要が既に高い今日において、各企業には候補人材の発掘や就任への各種サポート体制を整えていくことが望まれる。






(※1)  2021年4月1日~2022年3月31日に決算を行ったEDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)提出の旧東証一部、東証二部2,637社を分析対象とした。
(※2)  有価証券報告書をソース とし、有価証券報告書記載の4【コーポレートガバナンスの状況等】(2)【役員の状況】①役員一覧、に記載の役員を整理・集計した。尚、人数は重複した人数も含めた総合計(延べ人数)である。
(※3)  綾高徳他「日本の上場企業役員におけるジェンダーバランスの実態調査(2021年度版)」2022年6月23日を参照。
(※4)  本稿において社内役員は、社内取締役(監査等委員を含む)と社内監査役を指す。
(※5)  本稿において社外役員は、社外取締役(監査等委員を含む)と社外監査役を指す。
(※6)  兼務状況は上場企業の役員兼務である。なお、兼務状況の人数は実人数である。

※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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