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リサーチ・アイ No.2023-007

力強い回復も持続力を欠く中国経済 ―家計部門に残る脆弱性、急回復後の失速に注意―

2023年04月20日 野木森稔


中国の1~3月期の実質GDP成長率は前期比年率+9.1%と市場予想を上回る急回復。この背景として、①ゼロコロナ政策解除後の旅行や外食などサービス消費の力強い回復、②住宅市場の改善、③自動車販売の反発、など家計部門がけん引役に。しかし、この勢いは長く続かず、早晩息切れし、年後半には成長率が年率3%程度まで低下する見込み。

サービス消費の回復にはコロナ禍で蓄積された過剰貯蓄が支えとなっているが、中国の過剰貯蓄は日米などよりも小さく、これによる消費の押し上げ効果は限定的。住宅販売額は3月に前年同月比+8.8%と増加したものの、着工床面積が同▲27%とマイナス幅を拡大。不動産企業に対する融資規制の緩和により、住宅の供給制約が解消され、一時的に販売が増加している可能性。自動車については、減税終了後の販売の伸び悩みを受け、大規模な値下げ競争による販促が実施されたことが足元の販売を押し上げ。政府による自動車を巡る減税・補助金などの支援は期待できず、足元の好調さは持続しない可能性。

3月の失業率は5.3%と前月の5.6%よりも改善したが、引き続きコロナ禍前(2018~19年平均:5.0%)を上回る水準。雇用・所得環境に目立った改善がみられない場合、消費や住宅投資の増勢は弱まり、年後半には中国経済の失速リスクが高まる恐れ。

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