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リサーチ・アイ No.2023-003

金融環境の引き締まりが欧州景気の下振れリスク~金融市場の不安定化とインフレへの対応で手詰まりとなる恐れ~

2023年04月10日 後藤俊平


欧州では、金融システム不安が後退。一部米銀の経営破綻や大手欧銀の経営問題に対し、欧米の金融当局が迅速に対応。低格付け債を中心に一時急騰した社債スプレッドも落ち着く方向。

もっとも、昨年から実施されてきたECBによる急ピッチの利上げを受けて、欧州の金融環境は既に引き締まっている状況。銀行の企業向け貸出態度は、2010年代前半の欧州債務危機以来の厳しさ。仮に、金融不安が再び高まり、銀行の貸出態度が一段と厳格化すれば、企業の資金調達が困難化し、設備投資が大幅に減少する恐れ。

さらに、金融市場の混乱が深刻化した場合には、景気後退下でも通貨安により輸入インフレが加速し、スタグフレーションを招くリスク。欧州債務危機時やコロナ直後などの有事の局面では、南欧諸国を中心にユーロ圏からの資金流出圧力が強まり、ユーロ安に振れやすい傾向。ユーロ圏の輸入は外貨建て契約が6割近くを占めており、ユーロ安が域内物価の押し上げ要因に。試算では、1%のユーロ安がコア消費財の輸入物価を0.5%程度押し上げる計算。ECBは金融市場の不安定化とインフレ高進の両方への対処を迫られ、手詰まりとなる恐れも。


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