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リサーチ・アイ No.2022-092

わが国家賃は総じて上昇局面へ

2023年03月29日 古橋健司、井上肇


わが国の家賃は総じて下げ止まり。緩やかに下落してきたCPI家賃はコロナ流行後にゼロ%近傍で推移。以下の3点を踏まえると、今後の家賃は上昇傾向を強める可能性。

第1に、家賃の割高感の解消。1990年代初のバブル崩壊で住宅価格が大幅に下落する一方、下方硬直性が強い家賃は高止まり。このため、2000年代後半にかけて家賃は相対的に割高に。2010年代に入ってから、住宅価格が上昇に転じたことから家賃の割高感も解消に向かい、足元は長期的に見てニュートラルな水準に。今後、住宅価格の上昇が家賃に反映されやすくなる見込み。

第2に、借り手の値上げ受け入れ余力の向上。1990年代後半以降、わが国では賃金が伸び悩んだことを背景に家賃引き上げは進まず、家賃と賃金の動きは連動する傾向。最近では、物価高や人手不足を背景に、賃上げ機運が高まっており、借り手が家賃値上げを受け入れる余地は拡大へ。

第3に、住宅修繕費の高騰。資材価格の高騰を背景に、設備修繕・維持の価格が上昇。今後も資材価格の上昇が続く場合、中古物件を中心に家賃を押し上げる見込み。


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