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リサーチ・アイ No.2022-089

英国で長期化する労働力人口の低迷 ~根強い賃金上昇圧力で高インフレも長期化へ~

2023年03月14日 後藤俊平


英国の労働力人口は、2022年10~12月期にコロナ前(2019年平均)の水準を回復。内訳をみると、非EU国籍の労働者が全体を押し上げ。非EU国籍の労働者が増加した背景として、新興国からの移民増加が指摘可能。21年以後、南アジアやサハラ以南など新興国出身者による就労ビザの取得が増加。業種別では、22年初よりビザ取得要件が緩和された医療・社会福祉や、宿泊・飲食など人手不足が深刻化しているサービス業種で増加が顕著。これにより、外国人労働力全体の増勢はコロナ前トレンドを回復。

一方、英国籍の労働力人口は低迷。この主因は、中高年層における非労働力人口の増加。コロナ禍を境に、価値観の変化やストレスなどを理由に早期退職を選択する50歳以上の中高年層が増加。こうした早期退職者の職場復帰に遅れ。

先行き、労働力人口は外国人労働力の流入がけん引役となり、緩やかに増加していくと予想。ただし、個人の非労働力期間が長期化するほど労働市場への復帰が困難になる傾向にあることから、早期退職者の職場復帰は一部にとどまる可能性。このため、英国籍の中高年層の非労働力化が重石となり、英国の労働力人口はコロナ前のトレンドから下振れが続く見通し。労働供給の低迷が長期化することで、先行きも賃金上昇圧力ひいては高インフレが根強く残る公算大。


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