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JRIレビュー Vol.1,No.104

欧州経済見通し

2022年12月26日 松田健太郎後藤俊平


ユーロ圏では、2023年にかけて景気が後退する見通しである。コロナ禍からのリバウンド局面が一巡しつつあるほか、ウクライナ情勢などに起因する高インフレが企業収益や個人消費を下押しする。2024年の景気もエネルギー制約や金融引き締めが重石となり、緩慢な回復にとどまると見込む。

高インフレの定着を回避するため、欧州中央銀行(ECB)は2023年初まで利上げを続けるとみられ、金融政策の面からも景気は下押しされる見通しである。南欧諸国を中心に国債利回りは不安定な動きが続くものの、保有債券の償還再投資や伝達保護措置(TPI)の運用が対独利回り格差の拡大を抑制すると見込む。財政政策面では、各国の過度な緊縮財政は回避され、欧州復興基金の拠出などが景気を下支えすると予想される。

イギリスでは、ユーロ圏以上に景気の後退局面が長引くと予想する。EU離脱などイギリス特有の要因で労働力不足が長引き、高インフレが長期化するためである。家計の購買力低下や政策金利の引き上げが景気を下押しすると見込む。

欧州経済のメインシナリオに対するリスクは、賃上げ要求の強まりを通じた高インフレの長期化である。また、企業債務の調整を起点とした金融市場の混乱や、ウクライナ情勢の混迷を通じた東欧諸国の景気悪化などがユーロ圏の景気悪化を増幅させる可能性にも注意する必要がある。


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