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リサーチ・レポート No.2022-009

【アジア経済見通し】安定した成長が続くアジア経済 ~「脱中国」による供給網再編はASEAN・インドの追い風に~

2022年11月29日 野木森稔、松本充弘、熊谷章太郎


2022年のアジア経済は総じて回復。ゼロコロナ政策を堅持する中国の経済成長率は低下する一方、ASEANとインドは経済活動の正常化により高成長に。2023年も、①堅調な財輸出、②本格的に回復するサービス輸出、③底堅い内需を背景に、ASEANとインドを中心に安定成長を予想。

ASEAN・インドの安定成長と長引く中国景気の停滞は、サプライチェーン再編の動きを加速させる見込み。ASEAN・インドにとって、企業による「脱中国」の流れは成長力底上げにつながるチャンス。もっとも、アジア諸国では、双子の赤字や高インフレが深刻化すれば、資金流出が一段と加速するリスクに要注意。

中国では、活動規制の強化により低迷した4~6月期を底に持ち直しの動き。しかし、2022年の経済成長率は+3.3%と伸び悩み、政府目標を大きく下回る見込み。2023年もゼロコロナ政策、不動産市場の低迷、米中対立の激化が成長の足かせとなり、成長率は+4.9%にとどまる見通し。

インドでは、インフレによる景気下押し圧力を受けながらも、経済活動の正常化が進み、2022年度の経済成長率は+6.5%と、アジア新興国の中では高めの成長に。2023年度は+5.8%と、景気拡大ペースは鈍化も、安定成長が続く見通し。

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