リサーチ・フォーカス No.2022-039 中国はロシア支援にどこまで踏み込むのか~欧米依存、人民元国際化の遅れから積極支援は困難~ 2022年10月25日 牧田健西側先進国による経済制裁強化に対し、ロシアは中国依存を強めている。しかし、中国経済自体が欧米先進国の需要に大きく依存し、不動産を中心とした資本ストック調整圧力を抱えているほか、消費市場も必ずしも大きくないことから、中国の下支え余地も限られる。中国がロシアをはじめとする権威主義国家群の経済・金融を支える役割を担うには、消費主導の成長への転換が不可欠ながら、統制色の強い習近平政権下でハードルは高く、実現しても、経常収支の悪化によりファイナンス面で海外マネーへの依存度が高まることが障害となる。カギとなる人民元の国際化も、資本規制や現行の貿易構造により進んでおらず、結局のところ中国は経常黒字を維持する政策を続けていく可能性が高い。西側先進国との経済分断は中国経済に甚大なマイナス影響を与える可能性が高く、中国として権威主義国家群との結びつきは必要最低限にとどめるとみられる。 (全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)