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リサーチ・アイ No.2022-050

IMFが示した新興国でのサステナブル金融の課題~先進国からの支援強化と新興国の制度整備が急務~

2022年10月19日 大嶋秀雄


IMFは、本年10月公表の世界金融安定性報告において、新興国での気候変動対策資金の不足を指摘。温室効果ガス(GHG)排出削減といった温暖化の緩和策、ならびに、温暖化の被害に備える防災インフラ等の適応策に係る必要資金額に対して、供給された資金の比率をみると、2020年は、最も高いアジア・太平洋の緩和策でも3割、他の地域や適応策は1割。とりわけ、サステナブル金融などの民間金融機関による資金フローは限定的。

民間金融機関によるサステナブル金融の実行額(対GDP比)をみると、先進国の3.4%に対して、新興国は0.5%であり、大きく見劣り。IMFも、新興国では、国内金融市場が未発達であることに加え、海外からの資金流入も低調と評価。

IMFは、新興国におけるサステナブル金融を阻害する主な要因として、①不透明な規制・政策運営による長期的な事業計画の難しさ、②手厚い燃料補助金や低い炭素税などの気候関連事業に不利な環境、③気候関連情報の不足による事業の効果測定の難しさ、④企業の低いESG評価などを背景とするESGファンドからの資金確保の難しさ、を指摘。

これらの課題の解決には、新興国に適した金融スキームの開発等に加え、新興国政府が、野心的な移行計画の策定、および、炭素税や気候関連情報の開示規則などの導入を行う必要。先進国は、公的資金支援を拡大するとともに、これまでの知見を活かし、新興国の移行計画の策定や気候関連政策の導入を支援し、サステナブル金融が広がる環境整備を後押しすることが肝要。

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