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リサーチ・アイ No.2022-036

実質GDPのコロナ前水準回復をどうみるか ―実態としての回復はまだ道半ば―

2022年08月23日 小方尚子


2022年4~6月期の実質GDPが新型コロナウイルス流行前の2019年10~12月期の水準を回復したことが話題に。新型コロナによる落ち込みを、2年かけてようやく取り戻した形。もっとも、日本経済には依然として脆弱な点が存在。

第1に、2019年10~12月期は消費増税直後であったため、比較対象としてふさわしくない点。消費増税前の駆け込み需要が2019年7~9月期に発生したとの前提で試算すると、消費増税がなかった場合の10~12月期のGDP水準は549.1兆円。2022年4~6月期はこれを1.3%下回っており、新型コロナ前の「平時水準」への回復は未達。

第2に、回復が公的需要に偏っている点。直近値では、個人消費が2019年10~12月期の水準を1.3%上回ったものの、住宅投資や設備投資が伸びず、国内民需全体では▲0.4%。一方で、公的需要が2.8%伸びて全体を押し上げ。新型コロナ禍に対応した家計・企業向けの支援策が奏功し、民需中心で回復した米国とは対照的。

第3に、実質GDPには交易条件の影響が反映されない点。 2020年半ば以降の資源高と円安で交易条件が悪化。このため、2022年4~6月期の実質GDI(国内総所得)は2019年10~12月期を2.4%下回っている状況。所得の海外流出が増えた結果、コロナ前の水準回復はなお遠い状況。


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