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ビューポイント No.2022-005

わが国経済の競争力回復に向けて-新陳代謝、グローバル化・デジタル化への適応が不可欠

2022年06月21日 牧田健


これまでのわが国のマクロ経済政策について、引き締め気味の財政政策が景気の足枷となったとはいえ、金融は著しく緩和され、それに伴い大幅な円安が進行したものの、投資や輸出の拡大につながらなかったことを踏まえると、景気停滞は、ミクロの問題に抜本的な手を打てず、競争力低下に歯止めをかけることができなかったことも無視できない要因である。

IMDによると、わが国の競争力は1990年後半以降急速に低下しており、それに伴い、一人当たりGDPも順位を落としている。わが国の競争力低下は、①経営スピードの遅さ、②デジタル技術に対する意欲や理解の低さ、③グローバル化への対応の遅れに根本的な要因を求めることができる。経営スピードの遅さは、企業サイドでは乏しい新陳代謝、労働者サイドでは流動性を欠く労働市場、年功重視の人事システムが背景にある。デジタル化は、付加価値創出よりもコスト削減を優先する姿勢、ハードウェア偏重等に問題がある。グローバル化、輸出入・投資両面で企業・人材ともに経験を積む機会が圧倒的に少ないことが足枷となっている。

わが国が競争力を回復していくためには、企業と人材の新陳代謝の活発化、デジタル化やグローバル化への対応強化が欠かせない。第1に、支援対象を企業から労働者に軸足を移していく、具体的には、雇用のあり方を企業に任せる従来のシステムを改め、中小企業支援策の縮小と労働市場に対する公的支援の拡充が必要。第2に、企業支援に当たっては付加価値創出に対するインセンティブを付与するやり方に変えていく必要。第3に、年功制見直しやジョブ型雇用導入、専門職人材の育成など企業の人事・賃金制度改革も欠かせない。第4に、成長分野への財源・人的資源確保に向けた社会保障制度改革にも取り組むべき。

GDPギャップ解消まで財政支出の拡大が欠かせないものの、その使途はデジタル化推進を促す投資減税、リカレント教育をはじめとした積極的労働政策、グローバル化対応等の人的投資など、競争力回復に資する分野により注力していく必要。

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