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ビューポイント No.2022-003

スタートアップ大国に近づくための政策支援のあり方

2022年05月31日 岩崎薫里


近く発表される「骨太方針2022」では、今後の重点投資5分野の一つとして「スタートアップ」が選定される予定である。もっとも、スタートアップへの支援策は1990年代からすでに講じられている。それに民間の努力が加わり、ここにきてわが国でもスタートアップがようやく社会・経済に定着してきた。現在は新たな発展段階として、スタートアップ大国を目指し、スタートアップの数をさらに増やすとともに、スタートアップのスケールアップ(規模拡大)を促す局面に差し掛かっている。

わが国のスタートアップ支援策はすでに一定程度出そろい、民間側の支援体制の拡充も進んでいる。しかし、世界的な金融引き締めや地政学リスクの高まりを背景に、今年に入り世界のスタートアップ事業環境が急激に悪化しており、政策面からの追加支援は必要と判断される。①スタートアップの数を増やすために地域の社会課題に挑むスタートアップを支援する、および②スケールアップの可能性の高いディープテック・スタートアップへの支援を強化する、の2点がとりわけ重要と考えられる。

それらに加えてわが国に求められるのは、スタートアップの創出および成長を促す土壌づくりである。なかでも優先すべきは、国内、および国内と海外の間での人の流れの促進を政策面から後押しすることである。スタートアップの創出や成長が活発な国・地域では、労働市場が流動的、多様な働き方が可能、国内と海外との人の交流が活発、といった人材面での開放性がしばしばみられる。副業・兼業の容認、不利にならない形での休職の容認や退職者の再雇用、大学と民間との交流の場づくり、外国人の積極誘致と起業支援などに本格的に取り組む必要がある。

今後、スタートアップの事業環境の悪化に伴い、スタートアップを盛り上げようという社会の機運がしぼみ、それを反映して政策支援も後退しかねない。しかし、イノベーションを通じて経済を活性化するとともに社会課題を解決するには、イノベーションの主要な担い手であるスタートアップを促進することはきわめて重要である。政府がスタートアップ支援への揺るぎない姿勢を示し続けるとともに、スタートアップの活動への下支えを通じて民間の一層の関与を引き出すことが、今こそ求められている。

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