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リサーチ・フォーカス No.2022-007

厳しさが増す地域銀行のビジネス環境と求められる収益基盤の強化

2022年05月18日 大嶋秀雄


2008年世界金融危機以降の地域銀行の業績をみると、マイナス金利等の低金利環境を背景とする金利収益の大幅減少を主因に悪化傾向が持続。先行きも、資金需要の減少や低金利の長期化、競争環境の激化、信用リスクの高まりによって、地銀のビジネス環境は厳しさを増す見通し。

地銀にとって収益基盤の強化は喫緊の課題であり、足元では、業務範囲規制の見直しも後押しして、多くの地銀が新たなビジネスを模索しているものの、新ビジネスの早期収益化は困難。短期的には、業績悪化の主因である貸出ビジネスの収益性を改善し、長期的に、新ビジネスの収益化を目指すべき。

具体的な収益基盤の強化策は、以下の通り。
<短期>
多面的なリスク分析やフォワードルッキング引当の導入によって、信用リスクへの備えの強化と信用コストの精緻化を進める一方、収益管理の徹底や提案力の強化により過度な競争を回避することで貸出ビジネスの収益性を改善。
<長期>
強みである地域経済に対する深い理解や情報収集力を活かして、未解決の地域課題を見極め、銀行ビジネスとのシナジーを重視して、地域課題の解決のためのビジネス展開を追求。それにより、地域経済と地銀ビジネスがともに成長する好循環を実現。

一方、政府・当局は、短期的な経営効率化を促すだけでなく、地銀によるフォワードルッキング引当の導入の後押しや、ノウハウ・専門性の構築支援、自治体の地銀活用促進、銀行間連携の後押しなどによって、地銀の持続可能なビジネスモデルの構築を促していくことが肝要。


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