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リサーチ・フォーカス No.2022-006

エビデンスに基づく孤独・孤立政策に向けて-「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」結果より―

2022年05月02日 岡元真希子


孤独・孤立は人々の健康に悪影響をもたらし、社会的な損失も引き起こす。これまで孤独・孤立に関する実態把握は断片的なものしかなかったが、2021年12月に初めての実態調査が行われ、その結果が4 月に公表された。

結果をみると、「常に・しばしば」孤独を感じている人の割合は全体の4.5%であり、先行して孤独対策に取り組んでいる英国に比べると低い。英国とは対照的に、女性よりも男性の方が孤独を感じている。ただし、未婚者や独居者の回答比率が低いため、実際よりも孤独・孤立を抱える人の割合が低く算出されている可能性がある。

孤独の測定には、本人に「孤独であると感じる」かどうかを判断させる「直接尺度」と、孤独を示唆する複数の状況調査から評価する「間接尺度」がある。実態調査の結果、両尺度による測定結果には相違があることが明らかになった。一つの尺度のみを用いて判断すると孤独である人を見落とすリスクが高いため、直接尺度と間接尺度を併用することが望ましい。

エビデンスに基づいた効果的な孤独・孤立対策を行っていくにあたり、以下の取り組みが求められる。第1に、同じ標本を対象とした追跡調査を実施すべきである。継続的な調査によってライフイベントと孤独・孤立の関係を把握できれば、有効な対策を打つことができる。第2に、孤独・孤立対策のための実態調査だけでなく、教育・保健・介護などの分野の既存調査にも孤独・孤立に関する項目を盛り込むことを検討すべきである。第3に、孤独・孤立データを広く利活用するために、オープンデータとして提供すべきである。同時に、自治体や支援団体が保有するデータについても提供を呼びかけていく必要があるだろう。第4に、実態調査を踏まえ、どの水準以上の孤独・孤立について解消を目指すのかのボーダーラインの設定が必要である。孤立については確立された尺度がないため、測定手法を開発する段階から始める必要がある。これらを孤独・孤立対策のKPIとし、モニタリングしていくべきである。


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